空手部OBOGインタビュー (第8回)

空手部を卒業されたOB・OGの先輩にインタビューする本企画。第8回目は、昭和40年卒業生の下田雅美先輩にお話を伺いました。

聞き手:文学部3年 島田 理紗子(宇都宮女子高等学校出身)

Q1:まずは自己紹介をお願いいたします。

 昭和40年卒の下田雅美です。卒業後はリクルートに入社し、営業の仕事をしていました。定年でリクルートを退職した後は、マンション管理員の代行サービスを展開する株式会社うぇるねすを創設しました。昨年創設20周年を迎え、80歳の現在も現役で仕事をしています。2030年までに従業員1万人を目標にしているほか、100歳までいきいきと仕事ができる会社を目指しています。

Q2:空手部にはどのような経緯で入部されましたか。

 子どものころから身体が弱く、高校時代に結核だと判明しました。中央大学も、療養しながら入学しました。入学して最初の1年間はギターと歌が好きでマンドリンクラブという部に入っていましたが、身体は弱いままでした。
 2年生の時、道具もいらなくて道着だけでよく、いつでもどこでも一人で稽古ができて、素人でも始められる空手部に入部しました。同じクラスに石端さん(昭和40年卒)がいたこともあり、一番合いそうなのが空手だと思いました。

 当時の空手部は、現在と同じように型と約束組手がメインの稽古でした。江上師範がすでにいらっしゃっていて、今思うと「柔らかい空手」に変わる転換期だったのではと思います。OB合宿で4年生をみてもやっていることは大きく変わっている印象は受けませんでした。今でも、力を入れずに技や型を行うことはとても難しいと思います。当時の空手部は新入生が160人ほど入部しましたが、卒業する時は8人だけになっていました。ですが、自分は絶対にやめないと決めて続けました。
 入部したばかりのころは、激しい稽古の後に熱が出て寝込むことも連日でしたが、半年以上続けていたらだんだん熱がでなくなりました。結核が自然に治っていたのだと思います。自分でも体質が変わった自覚があり、人生で最大の転換期になりました。

Q3:現役部員の中には部活動と就職活動の両立に不安を抱える学生もいます。リクルートで働かれていた下田先輩から、そのような学生に対してアドバイスがあればお願いします。

 答えられない質問ですね(笑)自分は両立するということを意識していませんでしたから。自分がリクルートに入社したのは今よりずっと規模が小さい社員50人ほどの会社だったということもあり、当時は「自分で一生懸命やるしかない」と思って動いていました。
 ですので、重要なことは「両立より1つのことを一生懸命やること」だと思います。単位を取れずに落第してしまうのは良くないですけど、まずは空手を頑張るべきですね。空手部に入部して自分に自信を持つことができたのも、一生懸命やったからこそだと思います。
 また、自分で会社を創設して採用する立場になった時は、面接でその学生が何をできるか、ということはあまり気にしていません。注意している点は、その学生が自分に自信があるかどうかを気にしています。

Q4:下田先輩は現在も現役でお仕事をされていますが、大切にされている「仕事への考え方」がございましたら教えていただきたいです。

 「歳をとっても仕事をする」ということが大切だと思っています。仕事をしているからこそ感じることですが、仕事をしていると自己免疫力が高くなる傾向があります。
 その中でも特にマンション管理員はいい仕事で、管理員さんという仕事を通じて感謝され、やりがいや生きがいを感じられます。また、階段の上り下りも多いので健康に良い仕事です。
 ですが、「全員現役で100歳まで」という方針を信じて仕事をしている人はまだ一部で、全員ではありません。目標は、全員が「人間100歳まで仕事をするんだ」と信じて仕事ができる集団をつくることです。

Q5:現役部員に向けてのメッセージをお願いいたします。

人生で大切なことは、全身全霊で1つの事に打ち込むことが出来る事!だと思います。経験から言って、初めの就職先などはどこでも良い、たまたま縁あって入った会社で全身全霊を打込んで5年やることが出来れば、運命は必ず開いてくるものだと思います。ぜひ当社にも空手部後輩の入社を期待しています!

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