空手部OBOGインタビュー (第4回)

空手部を卒業されたOB・OGの先輩にインタビューする本企画も、第4回目となりました。今回は、平成26年卒業生の星野真太郎先輩にお話を伺いました。

聞き手:法学部3年 飯村 葵 (栃木県立宇都宮女子高等学校出身)

Q1. まずは自己紹介をお願い致します。

平成26年卒の星野真太郎です。埼玉県立浦和高校卒業後、中央大学法学部法律学科の入学と同時に空手部に入部、幹部時代は主務を担当していました。卒業後、一橋大学法科大学院を経て、平成28年に司法試験に合格。弁護士となりました。現在は特許庁に勤務しています。現役時代は南平寮に入寮していて、当時は4年生の先輩1名と共同生活をしていました。他の先輩方や私の同期もよく南平寮に遊びに来てくれて良い思い出になっています。

Q2. 空手部にはどのような経緯で入部されましたか?

中学、高校は卓球部に所属していましたが、大学に入ったら何か新しいことを始めようということは決めていました。当初は「ダイビングいいな」と思っていましたが、たまたま空手部の勧誘のチラシを受け取って、道場や部員の雰囲気を見て空手部に入部を決めました。(そのため、「空手をやりたい!」と思って入部したわけではなかったです。)

振り返ると当時の空手部には法学部の先輩方が多かったのことと、空手部の部員はみんな真面目そうだったので「自分には合っている」と直感で感じたことが大きな要因だったと思います。

Q3. 星野さんが法曹を目指したきっかけは何でしょうか。

これも確固たる意思があったわけではなく、もともとは大学で法学部に入ったことが理由でした。ただ、両親が技術職だったこともあり、小さい頃から技術のことや特許のことは身近にありまして、大学時代、知財法を学習したときに「これをやりたい」と思ったことが現在の特許庁勤務のきっかけになりました。

Q4. 部活動に入部すると司法試験の勉強時間を確保することも大変かと思います。空手をすることで勉強に関して周囲と差がつくことを焦ったりはしなかったのでしょうか?

よく聞かれますが、周囲もサークル活動やアルバイトをしている人が多かったので特に焦りを感じることはなかったです。(さすがに法科大学院入試直前は頑張って追い込み勉強をしました。)

「勉強をするから」と言って部活やサークル、アルバイトを辞めた人は結局勉強も辞めている気がします。これは大学院に入ってから気が付いたのですが、周囲の人は意外に課外活動を頑張っていた人が多かったです。

私も受験直前期までは継続的に空手部の稽古に通っていましたし、「アイツ最近来てないな」と言われることはなかったです。部活動をすることで勉強時間が減ってしまうことを危惧する人はいるけれど、そんなに深刻に考えなくて良いです。1日は24時間しかないのですから。大事なのはその24時間をどう使うかで、一生懸命勉強するか、一生懸命休むかのどちらかだと思います。

Q5. 現在も中大空手部には司法試験等の難関試験に合格しようと一生懸命勉強している仲間がいます。空手部の活動と勉強を両立させる上で星野さんが気をつけていたことをお教えください。

共通して意識していたのは「一人だけでがんばるようにしない」事です。空手の場合は先輩方に型を見てもらったり、同期を励みにする、技を盗む。勉強の場合は周りに勉強している人がいる環境に行く、わからないところを相談できる友人を作る、時間がないからこそ友人と協力する。などです。

単に自分が困っているときに周囲に助けてもらうだけではなく、モチベーションの維持にもつながっていました。

Q6. 空手と勉強の両方で、星野さんが1番こだわっていたことをお教えください。

以下の通りです。
・空手…同期の中で一番蹴りが上手くなる。
 ①毎回の稽古での目標を立てる
 ②中長期的な目標立てる
 ③最終目標を立てる

・勉強…暗記に頼らず、考え方を確認する
 ①何度も何度も繰り返す
 ②暗記だけでは飽きるので、考え方を確認する
 ③条文と問題を照らし合わせることができるようにする
 ④朝起きたらとにかく家を出る(家は誘惑が多すぎるので。。環境は大事です)

Q7. 弁護士になってみて、想像と違ったことは何でしょうか。また想像通りだったことは何でしょうか。

想像と違ったことは、弁護士は何でもできるスーパーマンのような人ばかりではなかったことです。憲法、民法、刑法はじめ様々な法律をなんでも知っている人、休まず働き続ける人ばかりだと思っていましたが、実際はそんなことはなく、いい意味で「普通の人」でした。

想像通りだったのは、責任感のある人が多いということです。人の人生を左右する仕事だからだと思います。それから、発言に気を遣う人が多いです。企業では、弁護士が答えたメールをそのまま「弁護士はこう言っている」と弁護士の見解として使用される機会もあります。そのため、私自身も丁寧に慎重に、言葉を選ぶよう努めています。

Q8. 現在のお仕事においても、ご自身が思っていたようにいかない時があるかと思います。そういった局面で空手部での経験は役立ったのでしょうか。

実際の弁護士業務はドラマのように1話完結ということはなく、同時に沢山の案件が進行するので1、2年目の頃は手に負えなくなっていました。こういった局面を乗りきるために学生時代、空手と勉強を両立していた経験が生きたと考えています。また、弁護士業務は、クライアントによって「その人にとって何が1番いいのか」を考える必要があります。そこに正解はなく、常に悩み、常に考えなくてはなりません。空手にも正解があるわけではないことが仕事との共通点だと考えているのですが、大学時代に空手部で活動したので正解がない事柄に対して
多面的な物事を見方ができるようになりました。

以上、星野先輩へのインタビューでした。

また、今回のインタビュー時に星野さんがこのようなことをおっしゃっていたのが印象的でした 。

結果を出す人の中に嫌われ者はいない。周りに人が集まってくる人は、愛嬌があったり、コミュニケーションを取ることが上手だったりする人が多いです。

これは、人に「媚びている」のではなく、人に「自然体でいて嫌われない」ということです。

このお話を伺って、何事においても結果を出すために必要となる、最も根本的なことを聞くことができたと感じました。いきなり「自然体でいて嫌われない」人になることは難しいですが、積極的に多くの人とコミュニケーションを取りに行くなどの自分ができることから始めることで、少しずつそのような人に近づいていくことは可能なのではないかと思います。

これを空手部に当てはめて考えると、私たちは自分から先輩方に型を見てもらう、どうしたらより強い技を出せるのか議論するなど、稽古の中でコミュニケーションをとる機会を自分から設けやすい環境にあると思います。しかし、日々の稽古を漫然とこなしているだけでは、このようなコミュニケーションの機会も浅いものになってしまうと思います。前期審査会および強化稽古を間近に控えた今、毎回の稽古で目標を立てる、疑問に思ったことは納得がいくまで考えるなど、根本的なことの重要性を再確認することができました。

まずはこのような根本的なことを徹底し、強化稽古や後期の稽古がより有意義なものになるよう、努力していきたいと思います。